三菱UFJ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年5月は、前月第3位だった「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」がトップに上がり、前月トップの「eMAXIS 日経225インデックス」が第2位に後退。前月第2位だった「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が第3位に下がった。前月第6位だった「MUFG ウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」は第4位に、前月は第7位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」が第5位に上昇した。また、トップ10圏外から「三菱UFJ/マッコーリー グローバル・インフラ債券ファンド<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のいしずえ)」が第9位に、「日経平均高配当利回り株ファンドⅡ」が第10位にランクインした。

 

◆インデックスファンドの人気に変動

三菱UFJ銀行の売れ筋ランキングでトップに「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が立った。前月トップだった「eMAXIS 日経225インデックス」は第2位に後退し、「三菱UFJインデックス225オープン」は第7位に下がった。これらは国内株式の代表的なインデックスである「日経平均株価(日経225)」に連動するインデックスファンドだ。パフォーマンスには大きな違いがないものの、取引チャンネルがオンライン取引のみならず、店頭でのコンサルティングを通じた紹介なども含まれることで、違いが出ているものと考えられる。

同じインデックスファンドであっても、取引チャンネルの違いによって手数料が変わってくる。たとえば、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」と「eMAXIS 日経225インデックス」はオンライン取引専用ファンドであり、購入時手数料は無料。そして、運用管理費用である信託報酬率は「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が年0.143%(税込み)。「eMAXIS 日経225インデックス」は年0.44%(税込み)になっている。一方、「三菱UFJインデックス225オープン」は店頭取扱商品で、販売手数料が購入代金の0.55%(税込み)(1億円未満)かかる。また、信託報酬率は年0.55%(税込み)だ。

三菱UFJ銀行の売れ筋ランキングをみると、「日経225」のインデックスファンドについてはオンライン取引による購入がメインになっていることがわかる。そして、より運用管理費用が軽微な「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」の人気が高くなっている。また、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」はNISAの「つみたて投資枠」でも購入可能であるため、つみたて投資を使って長期で資産を形成しようという目的で購入する人の比率が高まっているのかもしれない。

一方、信託報酬率の違いはパフォーマンスに影響を与えている。最も信託報酬率が低い「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」のトータルリターン(2025年5月末時点)は、過去1年が0.33%、3年が13.69%、5年が13.58%だが、「eMAXIS 日経225インデックス」は、1年が0.03%、3年が13.36%、5年が13.26%だ。「三菱UFJインデックス225オープン」は1年がマイナス0.08%、3年が13.24%、5年が13.13%になる。コンマ数%の違いでしかないが、この違いは運用期間が長くなるほどに大きくなる傾向がある。中長期の投資として国内株式インデックスで資産を増やしていこうという方針が決まっているのであれば、より信託報酬率の低いファンドを活用する方が効率的な運用ができる。

ただ、店頭取り扱いの「三菱UFJインデックス225オープン」は販売手数料もかかり、かつ、信託報酬率も高いから選ぶべきではないと一概には言えない。投資経験のない人が店頭の販売員の話を聞いて投資の第一歩を踏み出すきっかけを得るかもしれない。投資する商品についての商品内容、他の商品との違いなどの説明を受けることで納得して投資ができるかもしれない。あるいは、アドバイザーとして第三者目線で運用資産の状況について客観的なアドバイスが受けられることで、安心して運用を継続できるというメリットを感じる人がいるかもしれない。個々の状況に応じて商品の購入窓口を選ぶことも重要な選択の一つになっている。