三菱アセット・ブレインズ提供のデータに基づいて2026年5月の各資産のリターンを「MAB投信指数(MAB-FPI<Fund Performance Index>)=日本の公募追加型株式投資信託全体(除くETF)の動向を表す指数」でみると、トップは「国内株式」の8.84%(前月は10.56%)、第2位が「外国株式」の4.86%(同11.38%)、第3位が「エマージング株式」の4.19%(同13.16%)と前月に続いて株式ファンドが好調なパフォーマンスを続けている。ワーストは「国内REIT」のマイナス3.48%で「国内債券」マイナス0.53%、「ハイイールド債券」マイナス0.11%がマイナスのパフォーマンスだった。
「eMAXIS Neo」の先端技術に脚光
5月のリターン上位ランキングは上位を先進国株式が占めた。トップは、「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」(設定は三菱UFJアセットマネジメント)で月間リターンは37.62%だった。「S&P Kensho Virtual Reality Index(配当込み、円換算ベース)」というAIを活用し、企業の開示情報などの膨大な文献を自動的に処理することを通じて、バーチャルリアリティに関連する製品やサービスを提供する企業を選定している。2026年5月末時点の組み入れ上位は、HIMAXテクノロジー、マイクロン・テクノロジー、KOPIN、SYNAPTICSなど半導体・半導体製造装置セクターの銘柄が多く、COHERENT、VUZIXなどテクノロジ・ハードウェア・機器セクターが続く。ポートフォリオ全体で半導体・搬送体製造装置が約5割を占める構成になっている。前月から半導体関連銘柄に大きく株価上昇する銘柄が増えており、その流れに後押しされた格好だ。
5月のリターンランキングでは、三菱UFJアセットマネジメントが設定する「eMAXIS Neo」シリーズがランキング上位で目立っている。第3位は「eMAXIS Neo 宇宙開発」(月間リターン32.18%)、第5位は「eMAXIS Neo AIテクノロジー」(27.58%)、第7位に「eMAXIS Neo クリーンテック」(26.67%)、第8位が「eMAXIS Neo ナノテクノロジー」(26.04%)だ。これらのファンドは、第4次産業革命(AIやIoT等の技術革新によって産業を大きく変革しようとする取り組み)の原動力となる技術群(テーマ)に沿った銘柄を選定する「S&P Kenshoニューエコノミー指数」の個別テーマのインデックスに連動をめざすファンドだ。
「eMAXIS Neo 宇宙開発」は、組入れ上位がREDWIRE、VOYAGERテクノロジー、ROCKET LABなど資本財セクターになっている。「eMAXIS Neo AIテクノロジー」はソフトウェア・サービスと半導体・半導体製造装置、そして、テクノロジー・ハードウェア・機器が中心。「eMAXIS Neo クリーンテック」は資本財と半導体・半導体製造装置が軸。「eMAXIS Neo ナノテクノロジー」は医薬品・バイオテクノ・ライフと半導体・半導体製造装置が中心だ。それぞれ技術が異なるため、同じように半導体・半導体製造装置セクターを組み入れていても、実際に投資している銘柄は、個々の技術に特化した製品群を持っている企業となるため個別企業は異なっている。現在の市場がAIブームが市場をけん引する中で、AIに類する先端技術を評価しようという機運がかつてなく高まっているようだ。
半導体関連ファンドは1年で3倍化
一方、第2位は前月トップだった「半導体関連 世界株式戦略ファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)で、月間リターンは35.07%だった。月次リターンでは第2位に後退したものの、1年リターンでは268.6%と圧倒的な成績を残している。半導体関連ファンドは1年リターンで目覚ましい。2026年5月末時点での1年リターンをみると、「世界半導体関連フォーカスファンド」(SBI岡三アセットマネジメント)が257.7%、「しんきん日米半導体株ファンド」(しんきんアセットマネジメント)が211.6%、「アジア半導体関連フォーカスファンド」(SBI岡三アセット)が281.9%など1年間で基準価額が3倍以上に上昇している。
半導体関連ファンドのパフォーマンスが目立って良くなったのは2026年4月以降のことで、その期間は2カ月余りにすぎない。この勢いが、どこまで続くのか、今後の展開を注意深く見守りたい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

