野村證券の投信売れ筋ランキングの2025年5月は、前月第2位から「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が浮上し、前月トップの「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i日経225)」は第2位に後退した。第3位だった「eMAXIS S&P500インデックス」は変わらず、第4位には前月第7位だった「のむラップ・ファンド(普通型)」が上がり、第5位には前月第8位だった「のむラップ・ファンド(積極型)」が順位を上げて入ってきた。また、トップ10圏外から「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が第10位にランクインした。
◆中長期にインデックスを上回る米国株アクティブファンドの実力
4月に急落した米国株式市場は、5月に回復に向かった。その中にあって野村證券の売れ筋ランキングでの米国株ファンドの動きにも変化があった。代表的なインデックスである「S&P500」に連動する「eMAXIS S&P500インデックス」に対して、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は劣後した動きになった。
トランプ大統領が4月2日に大規模な関税政策を発表して4月9日に付けた安値では「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は2024年12月末比で22.88%安と「eMAXIS S&P500インデックス」の23.12%安より下落率を抑えられていたものの、その後、トランプ大統領がFRBの金融政策を批判して議長解任に言及したことで株価が再度下落した4月22日には2024年12月末比23.48%安にまで下落し、「eMAXIS S&P500インデックス」の22.82%安を上回る下落率になった。4月22日以降は「eMAXIS S&P500インデックス」に劣後する動きが続いている。
一方、9位の「フィデリティ・米国株式ファンドDコース(分配重視型・為替ヘッジなし)」は、4月の下落から5月の戻りで一貫して「eMAXIS S&P500インデックス」を上回る運用成績を残した。4月9日の下落局面では2024年12月末比21.44%安、4月22日には同21.3%安といずれも「eMAXIS S&P500インデックス」よりも軽微な下落率で乗り切り、その後の反発局面でも一貫して「eMAXIS S&P500インデックス」を上回る運用成績を続けている。
もっとも、より長期の成績を振り返ると、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は2025年5月末時点で過去3年間のトータルリターンが69.08%、「フィデリティ・米国株式ファンドDコース(分配重視型・為替ヘッジなし)」は同86.88%であり、いずれも「eMAXIS S&P500インデックス」の64.43%を上回っている。「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が根強い人気を保っているのは、中長期においてインデックスファンドを上回る成績を残してきたという実績があるためだ。その点では、より優れた実績を残している「フィデリティ・米国株式ファンドDコース(分配重視型・為替ヘッジなし)」の評価は今後、一段と高まるかもしれない。