三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年5月の公募ファンドの純資産残高は110兆2989億円で前月比6兆7553億円増加した。純資産残高が増加したのは4カ月ぶり。「外国株式型」の増加額は5兆2571億円で4カ月ぶりに大幅な資産残高の増加になった。「国内株式型」は純資産残高が4841億円増加し、「複合資産型」も4097億円の増加など、「国内債券型」(134億円の減少)を除くすべての資産クラスで純資産残高が増加した。

資金流出入額は約8120億円と前月の約1兆2230億円より4000億円以上も減額した。1月の流入額約2兆円の半額以下の水準になった。「外国株式型」(約7950億円)、「複合資産型」(約970億円)の順に資金を集め、「国内株式型」は資金流出になった。三菱アセット・ブレインズは、4月に急落した国内外の株式市場が5月はほぼ下落前の水準まで戻ってきた動きを振り返り、「国内株式型は従来より市場の下落局面で流入額が増加し、回復局面で流出超となる傾向にあり、当月も同様の傾向が見られた。外国株式型については、株式市場が好調かつ円安が進行した2025年1月に資金が多く流入したが、足許の市場回復に伴い含み損が減少したタイミングで戻り売りが発生した可能性がある」(「投信マーケット概況」6月号より抜粋)と分析している。

◆資金流入額でトップ3とそれ以外に格差

流入額上位10ファンドでは、上位3ファンドの顔ぶれは変わらず、資金流入額トップは「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」<通称:オルカン>(流入額1620億円、前月1897億円)となり、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(同1420億円、前月1746億円)が第2位。第3位は「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」<愛称:世界のベスト>(同1029億円、前月953億円)だった。トップ2の流入額がやや減少し、「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」は流入額が増加した。

また、第4位には新規設定ファンドの「GS社債/FOLIO・AIマルチアセット戦略ファンド2025-05」が約753億円の資金流入額でランクインした。

定番ファンドの中では、第5位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース」の流入額は約275億円とトップ3(オルカン、S&P500、世界のベスト)の流入額と比較すると大きく見劣りする水準になっている。株式市場が4月の大きな下落と5月の戻り相場という不安定な動きをする中で、投資家の中に次の展望が見えにくくなっていて「迷い」があるのかもしれない。