進むデベロッパー化 3カ年で9500億円を不動産に投資

注力するのは不動産開発事業です。鹿島建設は2027年3月期までの3カ年で1兆2000億円の投資を計画しますが、うち9500億円を国内外の開発事業に投じます。期間中は売却による回収も6900億円を計画しており、ネット投資額は2600億円となる見込みです。

【開発事業の投資・回収の計画(2025年3月期~2027年3月期)】

 
出所:鹿島建設 統合報告書
 

新規資金の投資は国内が中心です。ネット投資額は3カ年で1500億円を計画しており、2024年3月期までの3年間(920億円)から1.6倍に引き上げます。期間中は物件の積み上げ期として、収益拡大に向け投資を拡大します。投資には外部資金の活用も視野に入れています。

一方、海外は投資と回収サイクルの拡大期という認識です。投資額と回収額はいずれも増加する見通しですが、ネット投資は縮小を見込みます。2024年3月期までの3カ年で3140億円を投じたネット投資額は、1100億円に減少する計画です。これらから、当面は開発事業の収益は海外を中心に生じるとみられます。

全体では2027年3月期までに純利益で1300億円以上、ROE(株主資本利益率)は継続的に10%を上回る水準を目指します。国内建設事業を深めつつ、不動産開発を伸ばして成長を図ります。