江戸大工から生まれたスーパーゼネコン 売上高の3割が海外

まずは概要を解説します。

鹿島建設は大手ゼネコンの一角です。1840年に現在の東京都中央区で創業し、明治時代に鉄道の建設で発展しました。土木技術に強みがあり、1988年に竣工の青函トンネルは現在も海底トンネルとして世界最長です。

建築でも多くのランドマークを手掛けてきました。霞が関ビルディングやフジテレビ本社ビル、また都庁第二本庁舎(リニューアル)も鹿島建設の施工です。

建設以外は不動産開発やエンジニアリングなどがあります。不動産開発は、自ら企画・設計した物件の売却や賃貸が主な収益です。エンジニアリングは、各種プラントの設計や建築などを手掛けます。

【鹿島建設のセグメント情報(2024年3月期)】

 
出所:鹿島建設 決算短信
 

鹿島建設の特徴は、海外の売り上げが比較的大きいことです。2024年3月期は売上高の30%超を海外から得ました。ゼネコンのなかでは割合が大きく、全体の売上高も業界トップクラスです。海外は1960年代に進出した北米を中心に、住宅や物流施設などの建設を手掛けます。

【主なゼネコンの売り上げ(2024年3月期)】

 
出所:各社有価証券報告書