「成長投資枠」は70%の人がプラス
成長投資枠では国内外の個別株式のほか、投資信託、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)などに投資できる。投資信託はつみたて投資枠よりも幅広いラインアップから選択が可能だ。
調査からは、成長投資枠の新NISA1年目の損益はプラスの人が70.2%、マイナスの人が12.2%という結果となった。
新NISAにおける損益<成長投資枠>
※ プラスまたはマイナスは、継続保有中銘柄の含み損益、売却した銘柄の損益、受取配当・分配金を合算したもの。
プラスの人が7割と、マイナスの1割、わからない(把握していない)の2割を抑えて大多数を占めた。プラスが8割のつみたて投資枠には及ばないが、成長投資枠もおおむね好調だった人の方が多かった。
2024年は株式市場が全体的に堅調であったことが要因として挙げられるだろう。また、成長投資枠では個別株や投資信託といった複数の商品に投資できる。そのため分散投資によるリスク軽減が図られた可能性もあるだろう。
個別株の銘柄や投資信託のテーマによっては、生成AIやテクノロジー関連などの成長分野の需要増加から業績改善の恩恵を受けた投資家もいたことだろう。ただし、1企業の業績に左右される個別株投資には銘柄選定の難しさが付きまとう。その点が複数の銘柄を束ねた商品である投資信託のみに投資する、つみたて投資枠の方がプラスの割合が多かったゆえんかも知れない。
とはいえプラスで着地できるかマイナスに陥るか、その違いに理由があるのならば知りたいというのは人の常だろう。その1つの可能性として、調査ではある要素を指摘している。
●プラスだった人とマイナスだった人の違いとは? 後編「新NISA1年目の「損益」、7610人調査が明かす“損した人”と“得した人”の明暗を分けた「ある経験」とは」 で解説している。
調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査