◆「利回り」に着目し値上がり益も狙う「厳選証券ファンド」
1月に売れ筋ランキングで第10位に入った「NWQグローバル厳選証券ファンド(為替ヘッジなし/隔月分配型)(愛称:選択の達人)」は、売れ筋上位が株式を主体として値上がり益を重視していることに対し、「利回り」に着目し債券を中心に投資して安定的な収益をめざすファンドだ。具体的な目標リターンは、インカム収益年率4%~6%に、キャピタル収益の年率1%~3%を加えてトータルで年率5%~9%(米ドルベース)という水準をめざす。2009年12月末の運用開始以来2024年9月末までにインカム収益は年率5.6%、キャピタル収益は年率1.5%でトータルリターンが年率7.1%(米ドルベース)という実績を残している。
直近1年間のファンドのトータルリターンは円建てとなるため、9.71%となり、リスクは9.68%だ。為替市場の変動率が激しいために、債券を中心とした安定運用のファンドながらリスク水準が高くなりがちになっている。ただ、株式を中心としたファンドに市場人気が偏り、値上がり益の大きさに目が向きがちな今、インカム収益でしっかり利益を出しているファンドは貴重な存在といえる。同ファンドはかつてポートフォリオの利回りが5%を超える水準で投資すると比較的高いリターンが得られたというデータがあり、2024年12月末時点のポートフォリオは、直接利回り5.7%、最終利回り5.3%という非常に魅力的な水準にある。
執筆/ライター・記者 徳永 浩