三井住友銀行の投信売れ筋ランキングの2025年1月のトップは前月の第3位から「三井住友・225オープン」が浮上した。前月トップの「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」が第2位に、前月第2位の「三井住友・NYダウ・ジョーンズ指数オープン(為替ヘッジなし)」が第3位にそれぞれ後退した。また、2025年1月7日から新規に取り扱いが始まったばかりの「フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)<テンバガー・ハンター>」が第6位に食い込んだ。
◆「225」人気が復調した理由は?
2024年7月から5カ月連続で売れ筋トップの座に君臨してきた「三井住友・225オープン」が12月に第3位に後退したが、1月に第1位を奪還した。1月は新NISAの投資枠がリセットされ、「つみたて投資枠」で年間120万円、「成長投資枠」は年間240万円の枠が改めて使えるようになる。新NISAの「リ・スタート」となった1月の投資信託の売れ筋は、再び代表的なインデックスファンドに戻った。三井住友銀行の売れ筋トップに「三井住友・225オープン」が戻ってきたのも、新NISAリ・スタートの要素が小さくないだろう。
「日経平均株価」は2024年7月11日に4万2224円の史上最高値をつけて以来は、高値もみ合い商状が続いている。これは、2024年9月以降に米「S&P500」やドイツ「DAX」が年末まで史上最高値を次々に更新し、2025年1月には英「FTSE100」も加わって欧米の主要株価指数が史上最高値を更新していることと比較すると国内株価の出遅れは際立っている。日経平均株価は4万2000円の高値には遠い3万9000円台に低迷している。主要な先進国株式の中で最高値更新まで上昇余地の大きな国内株については「今年こそ」という期待も高まりやすかったのだろう。
そもそも日経平均連動型インデックスファンドは、投資の第一歩としても使いやすいファンドとされる。定期預金しかしたことがない人にとっては投資の第一歩のハードルは高い。預金から株式というハードルは高いが、毎日のニュースでよく聞く「日経平均株価」はなじみがある。さらに、投資先は日本を代表するような国内大手企業ばかりで、ユニクロを展開するファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、リクルートホールディングスなど聞いたことがある企業になっているため、「投資をする」という実感につながりやすい投資信託といえる。新NISA2年目で、ここから投資を始めた人も少なからず「日経225」への投資を選択していると考えられる。
この他にも三井住友銀行の売れ筋上位には「NYダウ」、「S&P500」、「全世界株式」など代表的なインデックスファンドが並んでいる。インデックスファンドに資金が集中するのは、新NISA1年目の2024年1月にもみられた現象だ。1月は「投資のことはじめ」で、わかりやすいインデックスファンドから投資を始めようという動きが少なくなかったと考えられる。