◆新規取り扱い「テンバガー・ハンター」への期待

三井住友銀行の取扱商品の中で、株式アクティブファンドで全国的な人気銘柄でランキングにあがってくるのは1月の第2位になった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」だ。純資産残高が1兆8000億円を超える大型ファンドであり、世界の株式の中から優れた企業を選び出して投資するファンドだ。株式のアクティブファンドとして国内トップの残高3兆4000億円がある「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(H無) 予想分配金」や、それに次ぐ残高が1兆3000億円を超える「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」も取扱商品にラインナップされているが、こちらは売れ筋上位には入ってきていない。

1月に新規取り扱いとなった「フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)<テンバガー・ハンター>」は残高が9000億円を超える、大型株式アクティブファンドでトップ10に入るファンドだ。売れ筋ランキングの第6位に入ってきたところに期待の大きさが感じられる。同ファンドの特徴は「割安成長株」という点だ。ここ数年は「米国成長株」や「netWIN」など米国株式で成長株(グロース株)に高いパフォーマンスを残すファンドが多かった。「テンバガー・ハンター」は銘柄を選定する基準に「割安」(バリュー)という基準を持っているためにリターンの水準では、グロース株ファンドに見劣りする部分がある。2025年1月末時点で過去1年間のトータルリターンは「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」は31.41%、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(H無) 予想分配金」が27.1%に対し、「テンバガー・ハンター」は13.42%だ。

ただ、割安な銘柄を選んで投資しているため、リスク(標準偏差:価格のブレ幅)は抑えられる。「テンバガー・ハンター」の1年のリスク水準は9.51%で、これは「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」の20.94%や「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(H無) 予想分配金」の18.68%よりかなり小さな値になっている。より安定的な運用をめざしながら、より高いリターンも求めていくという戦略になっている。取り扱いの開始にあたっては、非常に高い関心を集めた「テンバガー・ハンター」が、今後、売れ筋トップ10にとどまり続けるか、動向に注目したい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩