2025年1月のみずほ銀行の投信売れ筋ランキングでは、トップ5は前月と同じだった。同ランキングのトップ5は11月から3カ月連続で同じだ。「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は10カ月連続でトップを維持。第2位以下は「キャピタル世界株式ファンド」、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」、「キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)」だった。
みずほ銀行はネット販売のみずほダイレクトでの売れ筋は別に発表しており、下記のランキングにネット販売の売り上げは入っていない。年替わりでインデックスファンドの販売が伸びた影響はインデックスファンドが主流のみずほダイレクトに流れているものと考えられる。一方、前月はトップ10圏外だった「NWQグローバル厳選証券ファンド(為替ヘッジなし/隔月分配型)(愛称:選択の達人)」が第10位に食い込んだ。
◆盤石の売れ筋トップ5
みずほ銀行の売れ筋トップ5は、長期投資に適したファンドが揃っている。トップの「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は世界の株式、債券、リート(不動産投信)、コモディティ(金や貴金属、穀物、原油など)に広く分散投資して安定的な収益をめざすファンドだ。2025年1月末時点の1年トータルリターンは12.20%で、リスク(標準偏差)は5.22%と非常に価格変動のブレが小さいファンドだ。長期投資にとって大きな価格変動は大敵となりかねない。できるだけ安定し、かつ、緩やかにでも価格が上昇していく資産が好ましい。この条件に適っているのが「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」だ。
売れ筋の第2位以下は、グローバルな株式ファンドになっている。「キャピタル世界株式ファンド」は新興国を含む世界の株式市場の中から、キャピタル社が「マルチナショナル企業」と呼ぶグローバルにビジネス基盤を持っている成長企業を選び出して中核にしている。国別の景気変動や為替変動の影響を受けにくく安定的な成長が実現できることの優先順位が高く、その方針の結果としてファンドのパフォーマンスも安定している。1月末時点の1年トータルリターンは24.19%でリスク(標準偏差)は12.87%だ。同じように全世界の株式を対象としたインデックスファンド「たわらノーロード 全世界株式」は1年トータルリターンが25.42%でリスクは12.08%だが、同程度のリスク・リターンを絞り込んだ259銘柄(インデックスファンドの構成銘柄数は約2600銘柄)で実現している。
また、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」はキャピタル社が米国企業の中から厳選してポートフォリオを組むファンド。1年トータルリターンは32.50%でリスクは14.13%。「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」は世界の株式市場から成長の質が高い企業に投資する。実質的な運用をモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクが行っている。1年トータルリターンは36.35%でリスクは17.99%となっている。
より高いリターンをめざすほどにリスクの水準も上がっている。段階的にリスク・リターンの水準が異なるファンドが揃っていることによって、投資家は自分が目標とするリターンや、自分で耐えることができるリスク水準によって投資するファンドを選ぶことが可能になる。みずほ銀行の売れ筋が変わることなく続いているのは、段階的にリスク・リターン水準の異なるファンドが並んでいるためと考えられる。