◆「フィデリティ」と「アライアンス・バーンスタイン」の違い

「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」は前月の第5位から1ランク上げて第4位になった。日本を除く世界の株式市場を対象とし、ボトムアップリサーチで長期的に成長が期待できる企業を選定して割安な段階で投資するファンドだ。11月末時点での組み入れ銘柄数は92銘柄で約500銘柄を組み入れている「S&P500」よりかなり絞り込んだ企業で構成されている。11月末時点での過去1年間のトータルリターンは47.57%で「S&P500」を大幅に上回る成績になっている。

また、売れ筋ランキングで第6位に浮上した「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」もボトムアップリサーチで長期的な成長株を選りすぐって確信度の高い銘柄に投資するファンドだ。こちらは、米国株の成長株に分類される約1000銘柄が投資ユニバースになっている。フィデリティもアライアンス・バーンスタインも米国を代表する株式のアクティブ運用会社だ。そこが競い合うように成長株運用のファンドを出し、売れ筋ランキングでも競り合っている。

「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」と「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、ポートフォリオの中身が異なる。11月末時点で「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」の組み入れ上位銘柄は、メタ・プラットフォームズ7.9%、アマゾン・ドット・コム6.9%、アップル6.9%、アルファベット5.2%、マイクロソフト4.5%だった。これに対し、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」はマイクロソフト7.4%、アマゾン・ドット・コム7.1%、エヌビディア6.3%、メタ・プラットフォームズ5.3%、VISA4.7%になっている。組み入れ上位5銘柄の顔ぶれや組み入れ比率が大きく異なっている。それぞれのファンドの投資哲学や調査・分析力の違いが運用ポートフォリオの違いにも表れている。

ファンドの名前や運用会社だけでなく、運用の中身についても比較検討するような見方をしていけば、運用商品を選ぶ楽しみも広がる。NISA2年目を迎えて、「投資を始める」から一歩踏み込んだ「ファンド選び」の視点が売れ筋ランキングで見えてくるかどうかを確認していきたい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩