三井住友銀行の投信売れ筋ランキングの2024年12月のトップは前月の第2位から「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」が浮上し、「三井住友・NYダウ・ジョーンズ指数オープン(為替ヘッジなし)」は第2位に上がった。「世界のベスト」がトップに立つのは6月以来6カ月ぶり。11月まで5カ月連続でトップを維持していた「三井住友・225オープン」は第3位に後退した。また、前月に第8位にランクインした「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が第7位に上がり、前月第10位だった「JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジなし、年1回決算型)<アメリカの星>」が第8位にまで順位を上げた。

 

◆「225」人気が後退した理由は?

7月から5カ月連続で売れ筋トップの座に君臨してきた「三井住友・225オープン」が第3位にまで後退した。同じインデックスファンドとの比較では、「NYダウ」に逆転されたことになる。ただ、第3位に落ちたとはいえ、「S&P500」や「全世界株インデックス(MSCI-ACWI)」関連のファンドよりも順位は上にある。依然として高い人気を保ちつつ、その人気の勢いが少し弱くなったというところだろう。

「三井住友・225オープン」がトップに立った7月は、同ファンドが連動をめざす「日経平均株価」が7月11日に4万2224円の史上最高値をつけて好調だった。ところが、日銀の金融政策に関する説明不足などの影響で8月5日には3万1458円に急落し、その後は3万5000円~4万円のもみ合いを続けた。12月27日には4万281円とかろうじて4万円の大台を回復したものの、その後、4万円台を維持することはできていない。米国株に対して日本株の割安は指摘されて久しく、しかも、東証のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に対する改善要請などを受けて国内企業の株式価値向上に向けた努力も続いている。このため、日本株の「先高期待」は強いのだが、その期待に応えられない状況が続いている。

「NYダウ」は、7月に「日経平均株価」が史上最高値を更新した時に同じく史上最高値を付けて7月17日には4万1198ドルになった。8月の急落時には連れ安をして3万8703ドルの安値に沈んだものの下落率は軽微だった。「日経平均株価」と決定的に違うのは、8月26日には史上最高値を更新し、9月、10月、11月、12月と史上最高値を更新し続け、12月5日には4万5014ドルに進んでいる。日米の株価指数の動きには、明らかに大きな差があった。12月の半ば以降は、米国株も調整局面に入っている。今後、日米の株価はどちらが優位に進むのか? 三井住友銀行の売れ筋ランキングは、どちらとも決めつけることはせずに今後の状況をじっと見守っているようだ。