妹にタンス預金の話をしなければ…
母がグループホームに入居した当初は新しい環境に適応できるか心配で毎週顔を見に行きましたが、時間が取れなかったこともあり、実家には立ち寄りませんでした。
ですからその次に実家を訪れたのはほぼ半月ぶりだったのですが、実家に入った途端、思わず言葉を失いました。棚の戸が大きく開き、タンスの引き出しは引っ張り出され、中に入っていた衣類や書類が畳の上に散乱するなど、泥棒に荒らされた家というのはまさにこんな感じなのだろうなと思えるような惨憺たる状態だったからです。
すぐに妹の仕業だとピンと来ました。
私は家を出る時には必ず施錠することを心掛けていました。私の他に実家の鍵を持っているのは妹しかいません。
電話で話をした時の驚いた声と物欲しげな様子がフラッシュバックしました。
何年も実家に戻らず母の世話を一方的に私に押し付けてきたくせに、お金が見つかったと聞いたらすぐに帰ってきてこの仕打ちとは! 頭にかっと血が上り、思わずスマートフォンを手に取りましたが、ぐっとこらえ、ひとまずは“被害”を確認することにしました。
幸い、通帳や証券類は母がグループホームに入居したタイミングで私が預かって自宅に持ち帰っていました。見つかった300万円も同様です。
母の荷物からは母が若い頃に使っていたブランド品のバッグやゴールドのアクセサリーなどが持ち出されていました。
正確に覚えていたわけではありませんが、記憶にあるものをリスト化した上でその夜、妹に電話をしました。
想定はしていましたが、妹は電話に出ませんでした。メール、LINE、ショートメッセージ、ありとあらゆる連絡手段を使って接触を試みましたがなしのつぶて。これは何かあるなと思いました。
●セレブな暮らしを送っていたはずの妹が驚きの行動を起こした理由は、後編【まるで泥棒が入ったような光景に姉絶句…実家荒らしの犯人である妹が告白した「まさかの現状」と義弟の“裏の顔”】で詳説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。