認知障害の症状が出て片付けられなくなった母親
しかし、母は数年前から認知障害の症状が出るようになり、2024年になるといよいよひとり暮らしは難しくなって、主治医や母の担当のケアマネジャーと相談の上で自宅近くのグループホームへの入居を決めました。
やむなく3日間有給を取って実家に戻り、母がグループホームに持っていく荷物をまとめる作業をしました。
認知症の人はうまく片付けができないという話を聞いたことがありますが、まさに母がそうでした。若い頃はきれい好きで毎日家中に掃除機をかけていたのに、近年は実家に帰ると脱いだ服や食べたお菓子の袋がそのまま放り出してあったりしました。
目に付いたところは片付けるようにしていましたが、棚やタンスの中、ほぼ荷物置き場と化した父の部屋などは極力見ないようにしていました。
今回、片付けと荷造りを始めてびっくりしたのが、あちこちから郵便局の封筒に入ったお金が出てきたことです。恐らく母は引き出してきたお金をしまったつもりで、そのことをすっかり忘れていたのだと思います。
出てきたお金は3日間だけで300万円近くに上りました。
母からは郵便局の通帳や印鑑、キャッシュカードの置き場所を聞いていましたが、これだけあれば当座の費用は賄えるとちょっとほっとしました。
このことは母のグループホームへの入居を報告した時に妹にも伝えました。妹は「うちにそんなにお金があったんだ!」と驚いた様子でした。
しかし、後になって私はこの話を妹に教えたことを悔やむことになります。