◆存在感を高める「楽天・プラス」
「楽天・プラス」シリーズが12月の売れ筋ランキングに3本ランクインした。同シリーズは、低コストでシンプルな運用をコンセプトに、楽天証券の取扱いファンドのなかで運用管理費用(信託報酬)が最安、かつ、投信残高ポイントプログラムの対象ファンドになっている。インデックスファンドの差別化のポイントである運用コスト(信託報酬)で最も低いというメリットに加え、ポイントをより多く獲得できるというメリットもある。シリーズは6本で、全世界株の「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」、米国株の「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」、先進国株の「楽天・プラス・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド」、日本株の「楽天・プラス・日経225インデックス・ファンド」、ハイテク・ITの「楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド」、そして、半導体の「楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド」だ。うち半数(「米国株」「全世界株」「ハイテク・IT」)が売れ筋トップ10に入ったことになる。
「楽天・プラス」シリーズのポイント還元は、厳密には運用コストの引き下げとは言えない。しかし、インデックスファンドを選ぶ際の大きなポイントである「最安」のコストに加え、ポイントまでプレゼントされるのであるから、楽天証券の利用者にとっては大きなメリットになるだろう。ポイントの進呈率は、残高に対して年0.053%~0.017%だ。絶対的な運用コストが高いファンドほど進呈率も大きくなっている。
「長期の資産形成は低コストの株式インデックスファンドの積立投資で」という考え方は、2024年1月にスタートした新NISAによって国民的なコンセンサスになりつつある。預貯金金利が年率0.1%台という超低金利の環境で生活する日本においては「資産を増やす」手段として成長(値上がり益)や配当が期待される株式への投資は有効な手段となる。その株式への投資を小口で可能にするのが株式ファンドであり、それを低コストで実現したのが株式インデックスファンドだ。「楽天・プラス」シリーズは、株式インデックスファンドを積立投資しての長期の資産形成を始める入り口として、格好のきっかけづくりになるファンド群といえる。
インデックスファンドの積立投資を始めた後には、アクティブファンドの選び方、また、投資対象を分散して資産全体の安定性を高める方法の理解、そして、分配金を活用しながら「資産を残しながら使う」という工夫など、資産形成や資産運用についての知見やノウハウを深める段階に進むこともできる。まずは、スタートすることが重要であり、そのきっかけづくりをする「楽天・プラス」シリーズの意義は大きい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩