SBI証券の投信売れ筋ランキングの2024年12月のトップ4は前月と同様に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、「iFreeNEXT FANG+インデックス」だった。第5位に前月の第7位から「<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」が浮上し、第6位にはトップ10圏外から「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」がジャンプアップした。一方、前月は第9位だった「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」がトップ10落ちとなり、国内株ファンドは第7位にランクダウンした「SBI 日本株4.3ブル」のみになった。

 

◆「サンタ・ラリー」不発でも米国株高への期待

2024年の年末年始は欧米で「サンタクロース・ラリー(12月25日以降の年末5日間と年初の2日間)」(国内では年末の株高を『掉尾の一振』)といわれる株高への期待が裏切られた格好となり、米国「S&P500」や「NASDAQ総合」は4営業日続落、「NYダウ」は3営業日続落となって年末を迎えた。ただ、2024年を通年でみると「S&P500」は23.31%高、「NASDAQ総合」は28.64%高と2023年に続いて大幅上昇を記録した。この上昇率は、「日経平均株価」の19.22%高や香港「ハンセン指数」の17.67%高、ドイツ「DAX」の18.85%などの主要な株価指数を大きく上回る成績になった。この米国株高を背景に12月のSBI証券の12月の売れ筋でも「米国株高期待」が色濃く感じられる結果になった。

売れ筋ランキングの上位には、「S&P500」「NASDAQ100」「FANG+」など米国株価指数に連動するインデックスファンドが並び、トップの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は新興国を含む全世界株式の動きを反映するインデックスファンドだが、この指数ですら米国の構成割合が65%を超えていて米国株に強く依存した値動きをする。ここ数年の世界の市場は、米国株の動向に一喜一憂する展開が続いている。そして、2023年と24年の2年間で「S&P500」は53%以上も値上がりする強烈な株高を経験した。これは1997年と98年の2年間で65.95%上昇した以来で最大の上昇率になっている。

「S&P500」は1995年から1999年まで5年連続上昇、2003年から2007年までも5年連続上昇など、比較的連続して上昇する傾向がある。今回は2022年がマイナスだったために、2023年と24年の2年連続上昇であり、過去の値動きを当てはめると2025年も上昇しても何らおかしくはない。このような過去の値動きが2024年の年末になっての米国株インデックスファンドの人気につながったと考えられる。