資生堂の株価がさえません。

今年、特にひどく下げたのが8月8日と9日で、前日終値で比べた場合、8日が▲15.52%、9日が▲12.07%という2日連続の大幅安となり、そこから9月5日にかけて3055円まで下げました。

その後、9月27日に4050円まで戻したものの、再び下落トレンドとなり、11月8日には前日比▲7.01%、12月2日は同▲6.62%と下げ、年初来安値を更新しました。ちなみに同日の安値は2615円です。

8月に株価が急落した原因は、2024年1~6月期(2024年上半期)累計の純利益が、前年同期比で99.9%減の1500万円まで大きく落ち込んだからです。

日本および中国事業における早期退職支援プランを含む構造改革費用等で、計220億円の「非経常項目」を計上したため、純利益が大幅に減少したのです。非経常項目とは、IFRS(国際会計基準)を適用している企業の損益計算書に含まれる項目で、その期だけ特別に計上される利益や費用のことです。

2023年上半期の純利益が117億5300万円だったことからすると、2024年上半期はギリギリ赤字にこそなりませんでしたが、この大幅減益は、株価のボラティリティが高まる瞬間を狙っている投資家にとって、資生堂株を売り崩す格好の材料だったに違いありません。

次に11月8日の下げは、前日に発表された第3四半期の数字が、あまり芳しくなかったからです。

2024年第3四半期までの累計売上高は72億2800万円でした。2023年第3四半期累計と比べてほぼ同じですが、営業利益は91.5%減の21億8300万円に止まりました。税引前利益は71億5200万円になったものの、純利益は7億5400万円で、これも前年同期比で96.3%の減少です。損益計算書の数字を見る限り、厳しい状況であることに変わりはなさそうです。