業績予想「下方修正」はマーケットで“嫌気”されやすい
2024年第3四半期決算で株価が下げたもうひとつの要因は、通期の業績予想を下方修正したことです。
資生堂は12月決算企業なので、今期の本決算は2024年12月になります。第3四半期決算時には、本決算の業績見通しを発表しているのですが、その数字を下方修正してきました。株式市場において、業績見通しの下方修正は非常に嫌われます。株価が下げたのも当然でしょう。
前述したように、資生堂の2024年上半期の純利益は1500万円に落ち込みましたが、それを発表した8月時点では、今期本決算における連結純利益予想を220億円に据え置いていました。
ところが、それから3カ月が経過した11月7日、今期本決算における連結純利益予想を60億円に下方修正したのです。何と72.7%も悪化したことになります。
ちなみに損益計算書の主要項目を比較してみましょう。数字の左側が2024年上半期時点の業績予想であり、右側が下方修正された業績予想の数字です。
売上高・・・・・・1兆円/9900億円
コア営業利益・・・・・・550億円/350億円
税引前利益・・・・・・325億円/110億円
純利益・・・・・・220億円/60億円
このように、コア営業利益、税引前利益、純利益のいずれもが大きく下方修正されているのが見てとれます。ちなみに「コア営業利益」とは、前述した「非経常損益」を除外した営業利益のことです。