成長戦略は再生可能エネルギー 2030年までに1兆円を投資
豊田通商は次の成長戦略として再生可能エネルギーを掲げます。2021年に公表した「カーボンニュートラルロードマップ2030」の投資額を引き上げ、2030年までの10カ年で1兆円を再生可能エネルギーに投じます。
【豊田通商の脱炭素社会に関連する主な投資計画(2021年~2030年)】
・再エネ、エネマネ(※1):1兆円
・バッテリー:4500億円
・水素・代替燃料:2000億円
・資源循環・3R(※2):2500億円
・Economy of Life(※3):1000億円
※1.再生可能エネルギー・エネルギーマネジメント
※2.リビルド、リユース、リサイクル
※3.ヘルスケアや食料等、人々の日々の生活に不可欠であり、快適で健やかな未来社会の実現に貢献するビジネス
出所:豊田通商 「カーボンニュートラルロードマップ2030」の更新について
投資はM&Aを中心に行われています。2022年8月には風力発電で国内首位のユーラスエナジーHDを完全子会社化、2024年4月には太陽光発電で国内首位のテラスエナジー(旧・SBエナジー)を完全子会社化しました。これらの買収で、豊田通商グループの発電容量は、風力と太陽光のいずれも国内最大級となりました。
豊田通商は、ほかに水力発電やバイオマス発電の施設を保有します。発電所は国内外に存在しており、グループの総発電容量は2024年1月末で4.5ギガワットに上ります。これは原子力発電4基分に相当します。豊田通商は、2030年3月期までに10ギガワット以上へ引き上げる計画です。
豊田通商が買収したユーラスエナジーHDとテラスエナジーは、ユーラスエナジーHDを存続会社とし2025年4月に統合される予定です。豊田通商によると、統合によりバリューチェーンの強化と経営資源の最適化といったシナジーが期待できます。シナジーが発現すれば、豊田通商の再生可能エネルギー事業はさらに拡大しそうです。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)