3期連続で最高益、今期も増益を計画 セグメント別に業績を確認
次に豊田通商の業績を解説します。
直近10期を振り返ると、豊田通商は2022年3月期以降に大きく成長していることがわかります。純利益は2024年3月期まで3期連続で過去最高を更新しました。なお、2016年3月期の最終赤字は、資源価格の下落に伴う減損などが主因です。
2022年3月期に大きく成長したのは金属セグメントです。主に自動車の生産に関連する取り扱いが増加したこと、また市況が上昇したことなどから急拡大しました。
2024年3月期はアフリカセグメントの成長が顕著です。西アフリカ地域を中心に自動車販売会社の取扱台数が増加したことが主因です。純利益はセグメントの中で最大となりました。
今期(2025年3月期)は中間決算まで公表しています。中間までの実績ではライフスタイル(旧・食料、生活産業)セグメントが最も大きく成長しています。
【豊田通商のセグメント純利益(2025年3月期 第2四半期)】
・メタル+(Plus): 234億円(+25.2%)
・サーキュラーエコノミー: 256億円(-22.1%)
・サプライチェーン: 239億円(+4.2%)
・モビリティ: 290億円(-2.8%)
・グリーンインフラ: 121億円(-5.2%)
・デジタルソリューション: 153億円(+9.8%)
・ライフスタイル: 89億円(+32.6%)
・アフリカ: 396億円(+7.1%)
※()は前年同期比
出所:豊田通商 決算短信
全体の通期の業績予想は純利益のみ開示しています。前期より5.6%増益の3500億円を計画しており、第2四半期までの進捗率は51.8%です。消化はおおむね順調といえるでしょう。着地が予想どおりなら、4期連続の最高益となる見込みです。
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