30歳を過ぎて逆の立場に

30歳を過ぎた頃、さやかさんは仕事も順調になり、友達との付き合いも落ち着いてきたので、そろそろ結婚をしようと思うようになりました。

それを彼に告げたのですが、今度は彼の方から「待ってほしい」と。さやかさんは、結婚を口にすれば彼は大喜びで結婚の準備を進めると思っていたので、彼の反応には驚きましたし、そして不安を感じました。大企業に勤める彼の年収は700万円ほど。年齢的に大きな仕事を任され、おもしろくなってきていたのかもしれません。

とはいえ、これまでの自分の行いを振り返れば、今度は自分が待つ番。さやかさんはそう決めたのですが、さやかさんの親が「結婚をする気がないに決まっている」と怒り出してしまったのです。

その言葉にますます不安になったさやかさんに追い討ちをかけるのが、友達の言葉です。「今までは、まだ自由でいたいと言っていたから良かったのよ! でも結婚を焦りだしたからひいちゃったのでは?」と言われてからは、さやかさんの中で焦りが大きくなっていきました。

親御さんにも友達にも「あなたは、いいようにされているのだから、もう別れろ!」と言われましたが、さやかさんは聞き入れず「私たちは大丈夫!」と言い続けました。もしかしたら、それはさやかさんの願望だったのかもしれませんが、彼女は意地になっていたのです。それに、さやかさんには、これから新しい彼を見つけるのは難しいという考えがあったのでしょう。10年という時間は長いです。彼以外考えられないとなるのも当然ですし、ここから再スタートかと思うと、ため息が出てしまうのも仕方ありません。

●彼との結婚話が進まないさやかさん。長すぎた交際に、大きな転機が訪れます。後編【「父のお墓の前で誓って! 私を幸せにすると!」10年交際の彼に結婚を迫るも…泣き父との約束を果たす娘の爽快な決断】で詳説します。