<前編のあらすじ>

子どもの頃から国際結婚に憧れていた、東北出身の山本愛子さん(仮名・54歳)。

厳しい両親に育てられるものの、大学時代は東京で自由を満喫します。ところが、大学卒業後は地元に呼び戻され、決められた日本人の相手と結婚しました。

山本さんの言動を何かと否定してくる夫とは価値観が合いません。お互い我慢の限界を迎えて離婚。その後、ようやく子どもが成人したタイミングで山本さんは、長年の夢である「国際結婚」を叶えるため結婚相談所に登録しました。

●前編:嫁姑問題とは無縁? 「だめだ!だめだ!」を繰り返す夫と別れ、50代女性が夢だった国際結婚に踏み切った経緯 

いよいよお見合い。でも準備やその後が一苦労

国際結婚を希望する以上、英語での会話がベースになります。山本さんも英会話教室に通い、レッスンを受けるようになりました。そして努力の成果を発揮すべく、結婚相談所でアメリカ人とのお見合いをすることになったのです。

今の時代は、オンラインのお見合いも珍しくはありません。とくに、国際結婚を希望する場合は、別々の国に住んでいることが多いので、Zoomをよく利用します。

でも実際はここからがとても大変でした。山本さんはこれまでパソコンを扱う機会がなかったので、Zoomをするためにパソコンを購入。そしてZoomの設定や使い方から指導しなければならなかったのです。

そして、いくら英会話教室に通っているとはいえ、ネイティブの英語を理解するのは難しく、翻訳機を使うことになります。その準備と使い方の指導も必要でした。ただ山本さんは努力家ですし、どうしても海外の方と結婚をしたいという強い信念を持っていたので、短期間で英語も上達し、少し日本語の話せる資産家のアメリカ人とお見合いをすることになりました。

結果的にお見合いはうまくいって交際をするに至ったのですが、実はその後に問題が山積みでした。山本さんは相手に対して、「迎えに来て!来て!」と何度も言うようになり、これには相手もげんなりしてしまったのです。彼は山本さんに対して、自立していないと感じてしまいました。そして彼は「忙しい自分はなかなか日本には行けない。だから相手が会いにくるのが筋ではないか」と思っていたので、余計に山本さんにガッカリしてしまったのでしょう。

相手がアメリカに来ることを望んでいるならば、山本さんが行けばいい。誰もがそう思うでしょうが、実は山本さんには海外に行った経験がありませんから、1人で行くことに不安があるのはわかります。でも、国際結婚をするために彼と交際をするならば、これからは彼の国へ1人で会いに行く機会は増えるはず。もし行けないならば、結婚は難しいです。