5年婚活しても成果ナシ、怒り半分に結婚相談所で話を聞くと……

ついに和美さんが結婚できないまま、婚活開始から5年の時が経過し、義和さんは定年を迎えてしまいました。そして和美さんは35歳に……。

彼も妻も、心配が最高潮に達したといいます。

しかし、婚活がうまくいかない理由を尋ねても、娘の答えは実に曖昧。いてもたってもいられず、彼は妻を伴って娘の結婚相談所に怒鳴り込む勢いで向かいました。

そして、結婚相談所の担当者に言われたのは、「この際ハッキリ言いますが、当然です。女性が専業主婦になるのは昔の話、今は共働きが主流ですから、無職ではかなりの不利です。それに35歳は高齢出産とされる年齢ですから、30歳を過ぎた頃から女性の婚活は一気にハードルが上がるのが現実です。なのに無職のまま専業主婦を希望して、同年代の年収1000万円超えの方ばかり狙えば、うまくいかなくて当然ですよ」ということでした。

自分たちの頃との感覚の違い、「“婚活市場”という場でのポジション」という現実、娘の高望み……夫婦そろって呆然(ぼうぜん)としたといいます。特に義和さんは、今までその手の情報を見聞きしたことはあったのですが、大げさとしか捉えていなかったのだそうです。仮に正しくても、娘なら大丈夫だと……。彼はしばらく、現実を受け入れられなかったといいます。

帰宅して娘と結婚相談所でのことについて話をすると、再び呆然(ぼうぜん)としました。

「お父さんが、“お父さんみたいな良い人”と結婚しろと言っていたから、そうしただけ。『女は結婚して養ってもらえばいい』ってずっと言ってたよね? あれはウソだったの?」

夫婦そろって、何も言えなかったといいます。そして自分たち夫婦の誤りに初めて気が付いたとのことでした。

●結婚相談所にて、現状認識の甘さを突き付けられた3人。この先、どうしていくのでしょうか。後編【「親亡き後この子はどうなるのか」引きこもりの娘のために、老後の楽しみもあきらめた60歳男性の決意】にて、詳説します。