◆8月新設ファンドは「グローバル債券」と「中小型株」に注目

8月に新規設定されたファンドは13本で設定額は合計約310億円だった。前月と比較して設定本数(前月は16本)、設定額(同約570億円)ともに減少した。

新規設定額で最も大きかったのは、「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券F2024-08」の約150億円だった。同ファンドは、信託期間が5年間で5年以内に償還を迎える債券に投資する。投資債券は償還まで持ち切る運用をし、為替ヘッジもして為替リスクも回避するため、ポートフォリオ構築時に償還までの運用利回りが計算できるファンドだ。募集開始前の2024年5月22日時点で実現可能なポートフォリオで償還までの持ち切り運用をした場合、為替ヘッジコストや信託報酬等の運用コスト控除後で平均最終利回りは円ベースで年2.00%になっていた。国内では依然としてゼロ金利の時代であり、年2%の利回りが獲得できる商品の魅力は小さくない。

次に新規設定額が大きかったのは「TTI・グローバル中小型厳選株式ファンド」の約66億円だった。月次で約137億円の資金流入になった。同ファンドは新興国を含む世界の取引所に上場している中小型株式に厳選して投資する。実質的な運用は、英ロンドンと香港に拠点を置くTTインターナショナル・アセットマネジメント・リミテッドが担当する。2020年3月のコロナ・パンデミックによるショックの後は、主に米国の大型ハイテク株式が世界の株式市場をリードしてきたが、その結果、米大型ハイテク株式には割高感が指摘されるようになっており、相対的に中小型株式は割安として注目されるようになっている。

執筆/ライター・記者 徳永 浩