ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋の2024年7月のトップは引き続き「iFree S&P500インデックス」だった。第2位に「大和ストックインデックス225ファンド」がジャンプアップし、以下、「つみたて先進国株式」、「つみたて日本株式(TOPIX)」、「野村6資産分散投信(成長コース)」がトップ5になった。第6位に「つみたて全世界株式」が入り、第7位以下はグローバル分散投資型のバランスファンドになった。バランスファンドの中では、3年(年率)トータルリターンが12.11%(2024年7月末時点)と最も高いリターンをあげている「野村世界6資産分散投信(成長コース)」が最もよく売れている。

ゆうちょ銀行の公表データにより編集部作成

◆今後の円高傾向をにらみ「S&P500」一辺倒の見直しも

全国津々浦々に広がる店舗網が特徴のゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋トップは、「iFree S&P500インデックス」が独走している。同ファンドは米国株式を代表する株価指数「S&P500」に連動する動きをめざすインデックスファンドだ。7月末時点での5年(年率)トータルリターンが21.86%と、過去5年にわたって年間20%を超えるリターンを残してきた抜群の運用成績を残している。新NISAの「つみたて投資枠」でも「成長投資枠」でも購入ができることも裾野を広げる役割に一役買っていると考えられる。

「大和ストックインデックス225ファンド」は、国内株式を代表する株価指数「日経平均株価(日経225)」に連動する成果をめざすインデックスファンドだ。5月の時点では第10位だったものが、7月には第2位にランクを上げた。運用成績は、5年(年率)トータルリターンが14.29%であり、「iFree S&P500インデックス」と比較すると見劣りする。新NISAでは「成長投資枠」の対象だ。一方、このところ「円安」をけん制する動き(円買い・ドル売り介入など)が続いており、為替相場の影響を考えなくともよい日本株式の魅力にも見直しが進むという期待もある。国内企業もインフレ経済への転換で製品・サービス価格の値上げが実現できる環境となり、業績拡大期待も高まっている。

1ドル=160円台から144円台(8月25日現在)に進んだ円高は、今後の米国利下げの動きを受けて一段と進むという見方もある。2020年3月の「コロナ・ショック」以来、世界の株式市場をけん引してきた米国株式に、円安傾向の環境も手伝って国内投資家の間には「S&P500最強」との評価が定着しているが、今後、為替相場が円高という見通しになれば、これまで通り「S&P500インデックス」を中心に据えた投資だけでは難しくなる。もっとも、必ず円高に進むと決まっているわけではない。「S&P500」と「日経225」の人気がどのように変化していくのか注目していきたい。