繰上げしていなかったら…
「繰上げしやすくなったと聞いて繰り上げたのに受け取れないなんて……」と衝撃を受けた麻耶さん。
年金事務所から帰った麻耶さんは、窓口で渡された受給見込額(老齢年金・遺族年金両方)を使って、遺族年金を含めた上での逆転年齢を自分で計算してみました。すると、繰上げしなかった場合と繰上げした場合の生涯の受給累計額は、なんと66歳10カ月頃には逆転するというまさかの結果に。
遺族厚生年金発生から65歳までの4年半、繰り上げた老齢基礎年金や老齢厚生年金が受け取れないことが大きく響き、このような結果となりました。
麻耶さんは「80歳10カ月だったら別にいいかと思っていたのに、60代後半で逆転してしまうなんて……」とショックを隠せません。
繰上げ受給は他の年金との関係に注意!
2022年4月に繰上げの減額率は1カ月あたり0.5%から0.4%に改正され、その点繰上げしやすくなったのは事実でしょう。しかし、今回のケースのような遺族年金との調整など、繰上げについてのその他の注意点は特に変わっていません。繰上げの減額率ばかり注目しがちですが、こうした点は時に見落とされがちです。
繰上げ後、何が起きるかわかりません。今回の遺族年金との調整など、繰上げの減額率以外の注意点について、自身に該当しそうな点も理解したうえで繰上げする必要があると言えるでしょう。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。