雑損控除と災害減免法の違い

雑損控除と災害減免法は同時に適用できません。どちらを適用すべきかは、その人の所得や被害の状況により異なります。

1.    適用できる要件の違い

災害減免法による軽減免除は、保険金等の補填額を差し引いた損失額が、住宅または家財の価額の2分の1以上のときに限られます。つまり、雑損控除の方が適用範囲は広く、一部損壊など軽度な被害にも対応できます。損失額がその資産の時価の半分を超えなければ、雑損控除を利用することになります。

2.    所得制限の違い

雑損控除は納税者の所得に制限がありません。一方、災害減免法の軽減免除は、災害を受けた年の所得額の合計が1,000万円以下の者に限られます。

3.    翌年以降への繰り越しの有無

雑損控除は、災害を受けて雑損控除を計上した年にすべて所得から控除できなかったときは、翌年以後3年間は繰り越し控除ができます。一方、災害減免法の軽減免除は、被害のあった年に限り、翌年以後の繰り越しはできません。

被災時には非課税となる収入も

被災時には、親族や友人、会社などから見舞金を受け取ることもあるでしょう。また、損害保険に加入していれば、保険金も支払われるでしょう。こうした被災時の一定の収入にも税金を減らす仕組みがあります。

1.    見舞金収入

被災時に受け取る見舞金は原則として非課税です。ただし、あくまで「社会通念上相当」な額というのが要件です。見舞金とはいえ、極端に多額など課税対象になる可能性もありますので、ご注意ください。

2.損害保険金収入

損害保険金を受け取る際も、保険を掛けていた方が、財産の損失や身体の傷害・疾病を原因として受け取る保険金には、原則として課税されません。