ディズニークルーズが28年度に就航へ

オリエンタルランドが、7月、日本を拠点とする「ディズニークルーズ」を展開することを発表しました。28年度の就航を目指しており、首都圏の港を発着、標準的な価格帯は航海日数2~4泊程度で、1人当たり10~30万円台の想定です。就航数年後には、年間乗客数約40万人、年間売上高約1,000億円を目指すというものです。就航に向けて、日本船籍では最大級となる総トン数が約14万トン、乗客定員約4,000人のクルーズ船を建造します。

クルーズはレジャー目的の船旅のことですが、一般に、クラス別で、カジュアル、プレミアム、ラグジュアリー、エクスぺディション(探検)、などのタイプがあります。クルーズの楽しみは、船上で非日常体験を味わうことができる、複数の目的地での観光を楽しむ、船内施設やイベントを楽しむ、などです。
オリエンタルランドのクルーズ市場への参入によって、クルーズがファミリー層や若年層にとっても身近なものとなる可能性があり、日本のクルーズ市場の活性化につながると見込まれます。

 

外国クルーズ船主導、寄港地が広がり地方再発見も

クルーズライン国際協会(CLIA)は、世界のクルーズ人口が23年に新型コロナウイルス禍前の19年(2,970万人)を7%上回る3,170万人に達し、27年には4,000万人に拡大すると予想しています。一方、日本人のクルーズ人口は、国土交通省によると、19年で35.7万人(過去最高)を記録した程度です。

しかし、コロナ禍後の世界のクルーズ人口の拡大が、日本のクルーズ人口の拡大につながっていくと思われます。国土交通省によると、23年の日本の港湾へのクルーズ船の寄港回数は1,854回、前年比2.6倍と、コロナ禍の低迷期から急回復し、内訳として、外国クルーズ船が1,264回と主導(日本のクルーズ船は590回)しています。外国クルーズ船が寄港した港湾を地域別で見ると、横浜の101回が最も多く、次いで、長崎95回、鹿児島78回、那覇72回、博多59回の順となっています。

また、外国クルーズ船が初寄港となった地域は、福山、尾道糸崎、伊延(沖永良部島)、岡田(大島)、田子の浦、御手洗(大崎下島)、など29港湾に広がっています。

外国クルーズ船では、欧米アジアなどのクルーズ会社が、日本市場向けにさまざまな旅行プランを揃えています。例をあげると、大型船では、スイスのクルーズ会社が、総トン数17万トン強、乗客定員5,500人程度といった過去最大級の船舶で、今年秋、東京発着で、室蘭、酒田、金沢、八代、高知、大阪などを巡るクルーズを計画しています。

小型船では、フランスのクルーズ会社が、総トン数1万トン程度、乗客定員180人程度の船舶で、来年4月、大阪~鹿児島発着で、九州の島々と瀬戸内海の港町を9日かけて巡るツアーを計画しています。

日本のクルーズ人口は、世界のなかでみるとまだ少ないですが、最近は日本でもクルーズ人気が高まっています。

外国クルーズ船社や邦船社(郵船クルーズや商船三井クルーズ)の旅行プランの人気は高く、定員が早くに埋まり申込が締め切られるケースも増えてきています。

船上での非日常体験や地方再発見もあり、国内クルーズ市場の成長が楽しみになってきています。