6.バフェットならば、遺言にどのような言葉を残すか
「自分の長い人生は、行うべき義務を果たし、よい人生だった。それは、人間としてあるべき正しい姿勢とサービス(社会への奉仕)だった。したがって、私は、皆が資産を優先せず、社会への義務を果たすことを優先するよう、ここに倫理的遺言を残す」
このようにマンガーの遺言が紹介されたのち、バフェットだったら遺言でどのような言葉を残すかと問われ、こう答えました。
「あなたの人生においてあなたが幸運であったならば、他のたくさんの人が幸せになるように努めなさい」
またバフェットは、株主からの質問とは別に、あるエピソードを紹介しました。
7.多額の遺産を大学に寄付した夫人のエピソードを紹介しながら伝えた「幸せな人生の秘訣」
そのエピソードとは…
ニューヨーク、ブロンクス(ニューヨークでもっとも収入が少ない地域)にある医学大学。学生のほぼ半数は卒業時に平均20万ドルもの借金を抱えるこの大学の学費が、今年の夏から完全にフリー(無料)になった。
その資金の出どころは、夫が長く保有し、大幅に上昇したバークシャー株の遺産10億ドル(約1570億円)を残された夫人が寄付したことから。この額ならば、永久に学費はフリーにできるとのこと。アメリカでは、このような寄付をすると、その人の名前を冠することが多いのだが、大学名が「アルバート・アインシュタイン」という名前であることから、夫人は辞退した。
というもの。バフェットは寄付した夫人を総会に招き、会場の株主に紹介しました。そして、こういいました。
「バークシャーの株主は全米に広がり、バークシャーの株価の上昇で、5億ドル、10億ドルと大きな資産を築くが、そのお金を使わずに(Deferred Consumption)、匿名で地域やコミュニティに寄付をする人が非常に多い。そういう人たちは、とても幸せな人生を送っている」
大変心に響く言葉です。
そして来年もバフェットの株主総会に行くのが楽しみです。