1.「株価を毎日見ている人はもうからない」お金をつくるためのマインドセット

思わずニヤッとしてしまうのですが、バフェットはこう続けます。「株価を忘れている人が長い間にお金をつくっている。マインドセットが重要なのだ」この言葉は大変示唆に富みます。

「株価を買うのではない、会社、ビジネスを買うのだ」と日頃、バフェットが言っていることにつながるのです。

2.個人投資家が株式投資で高いパフォーマンスを上げる方法

バフェットは、100万ドル以下の投資金額であれば、年率50%の利回りを上げる自信があるといっています。我々にとって、投資額は十分にその金額の範囲内ですので、どうしたらその利回りを上げられるかは非常に関心あるところです。

バフェットはこういいます。「私は20,000ページのムーディーズ・マニュアル(現在は廃刊、個別企業情報の紹介)を1ページ、1ページ丹念に読んだ。そしていい銘柄を見つけた」いまでも、バフェットは執務室に閉じこもり、たくさんの会社のアニュアルレポートなどを読んで、銘柄探しに勤しんでいます。その中で見つけたのが、日本の商社株です。ムーディーズ・マニュアルに相当する日本の出版物は「会社四季報」でしょう。いまとなっては、バークシャーの投資資金は2,000億ドルにものぼり、買いもままならない状況ですが、どんな銘柄でも買える我々にとっては、貴重なアドバイスでしょう。

3.消費者行動の見極めも大事な投資尺度

バフェットは、「消費者行動」(コンシューマー・ビヘイビア)を見極めることが非常に大事だと言っています。そしてバフェットは、自分の投資行動の誤りもざっくばらんに語ってくれます。

「1960年代に投資したボルティモアの家具チェーンを買ったときは、消費者行動を見誤った。シーズキャンディを買って大変な成功をおさめたのは、消費者行動を正しく見極めたからだ。そして、こうした観察の積み重ねがつながったのが、アップルへの投資だった。学者がいう『個人が新しい知覚表象や概念を理解するのに用いるこれまでの経験のすべて』を使って、クリスタライズしたのだ。アップルを見て、その中身はよくわからないが、iPhoneのすごさ(筆者注:ユーザー・ロイヤリティの高さなど)を感じたのが、投資につながった」

株式投資では、数値指標も大事ですが、こういったソフト面の見極めも非常に大事なことをバフェットは教えてくれます。