バフェット氏がついに引退を表明した。「オマハの賢人」として世界中の投資家から尊敬を集めてきたが、日本でもバフェット信奉者は多い。彼の言葉はいくつも日本語に訳され、投資における「格言」として扱われている。しかし、この節目に、その信奉をいったん問い直してみたい。
日本におけるバフェット信奉
バフェット氏が推奨してきた「価値ある企業を見極め、割安な水準で買い、長期で保有する」という投資スタイルは、ある種、投資の本質論として語られてきた。
特に「コカ・コーラ」や「アップル」など、わかりやすいブランド企業への投資による成功は、株式投資を通じて資本主義経済の成長の恩恵を受けられることを実証してきた。また、日本の商社株に対する投資でもその洞察力を見せ、「日本株復活のきっかけ」として報道されたことも記憶に新しい。
こうした中で、「バフェットのように優良企業の割安株を選んで、持ち続けることこそ株式投資の本流だ」というある種のコンセンサスが形成された。