バフェット氏の存在感は、アメリカでは少し違う?
バフェット氏はもちろん本国アメリカでも高い尊敬を集める存在だろう。しかし、その尊敬のあり方は、日本のように“信奉”に近いものではなく、もっと相対的なものに思える。
たとえば近年では、バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイがGAFA※を中心とした高成長株に出遅れた局面や、多額のキャッシュを抱え続けていたことに対して、一部の投資家やメディアから「攻めの姿勢に欠けるのでは」といった指摘が出たことがある。また、テック主導の成長株投資を重視する若年層の間では、バフェットの投資哲学が「古典的なもの」として距離を取られる傾向もある。
※米大手IT企業Google、Apple、Facebook(Meta Platforms)、Amazon
米国では、バフェット氏の実績を評価しつつも、それを“絶対解”だとは考えていない。あくまで一つの思想、スタイルとして捉えられている傾向がありそうだ。
そして、他にも投資思想におけるリーダーとして、たとえばレイ・ダリオやマーク・ローワンのような運用者が注目されている。彼らは、バフェットとは異なる視点から、投資の考え方や市場に対する見方などを発信している。
●バフェット氏以外にも目を向ける必要性とは…後編「投資の“絶対解”を知りたい人に「バフェット氏引退」が教えてくれた、見落としがちな視点とは?」にて詳報している。