今年のバークシャー・ハサウェイの株主総会は、初めて地元ネブラスカ州オマハを離れ、カリフォルニア州ロサンゼルスでの開催となった。コロナ禍のなか昨年出席できなかった、ロサンゼルスに住む97歳のマンガー(バークシャー・ハサウェイ副会長)に登場してもらうためだ。ほかに二人の副会長、保険部門担当のアジット・ジェイン、事業部門担当のグレッグ・アベルも加わり、初めて四人揃い踏みの総会となった。
56回目となるバークシャーの株主総会で、バフェット(90歳)、マンガー(97歳)の両氏が、今年も3時間半以上にわたり、世界中の株主や投資家から集まる50近い質問に答えた。この株主総会は、バフェットやマンガーが何を語るか、世界の投資コミュニティが注目しているイベントである。
バークシャー・ハサウェイのネット株主総会画面より(筆者撮影)
今回は、バフェットやマンガーの今年の株主総会の発言の中から、我々の投資、資産運用に大変参考になるQ&Aやバフェットが取り上げた話題をご紹介しよう。
世界はドラマティックに変わる! 時価総額ランキングTOP20社の変遷を披露
冒頭バフェットは、「若い人に投資というものを教えるために」として、現在の世界時価総額上位20社を披露した。上位6位までのうち5社がアメリカの会社であることを示し、アメリカのシステムがよく機能していることを強調した。1989年と現在の上位20社を示し、1989年の20社は、現在の20社の中には1社もないとして、企業の変遷を説明(筆者注:1989年のリストに日本の企業が13社あった。現在のリストには、日本の企業は1社もなく、アメリカの会社が13社入っている)。
バフェットは、この間はインフレが少ない時期だったが、現在第20位の企業の時価総額が1989年同じ順位の企業の10倍以上になっているとして、資本主義のすごさ、株価は大きく上がること、世界は非常にドラマティックに変わることを示した。
米国企業が13社、他国企業が7社ランクインしている
1989年時価総額上位20社
※ともにバフェットが株主総会にて投影した画面より、筆者作成