2030年までの長期ビジョンを推進中 収益化目指す3つの新規事業とは
最後にロート製薬が取り組む3つの新規事業を紹介します。
ロート製薬は創業120周年を迎えた2019年、2030年までの長期目標として「経営ビジョン2030」を策定しました。その中で6つの事業領域へ注力する方針を明かしています。
うち新規事業は「成長投資事業」とした医療用眼科領域と再生医療、開発製造受託(CDMO)の3つです。「コア事業(既存事業)」に加え、より専門的な領域へ進出することで収益機会の獲得を目指します。
【「経営ビジョン2030」における6つの事業領域】
・成長投資事業:医療用眼科領域、再生医療、開発製造受託(CDMO)
・コア事業:OTC医薬品(一般用医薬品)、スキンケア、機能性食品・食品
医療用眼科領域と開発製造受託は早期の収益化を図ります。
医療用眼科領域では、2020年に医療用眼科用薬メーカーの日本点眼薬研究所(現・ロートニッテン)を子会社化しました。臨床試験も進めており、早いもので2026年の承認を目指しています(2024年5月現在)。
開発製造受託では製造拠点および研究拠点を新設し、生産能力の強化に取り組んでいます。当面はグループ子会社とシナジーが期待できる内服薬、医療用眼科用薬、再生医療で開発受託可能な体制の整備を目指します。
再生医療は中長期で収益化を目指します。2021年にはオリンパスの再生医療子会社(現・インターステム)を買収しました。日本でパイプラインを進捗させると同時に、中国での展開を見込み現地企業と合弁会社設立に向けた契約を進めています。
ロート製薬の新規事業は成功するのでしょうか。投資家の関心が集まります。