2022年以降、円谷フィールズホールディングスは株価が急伸しています。2021年末に256円だった株価は、2023年8月におよそ13倍となる3380円まで取引されました。以降は値下がりし、2024年4月23日までの5年騰落率は4倍ほどに落ち着いています。
円谷フィールズはパチンコ・パチスロ遊技機の販売と、「ウルトラマン」などの知的財産を活用したライセンスビジネスを手掛ける企業です。
なぜ円谷フィールズ株式に買いが集中したのでしょうか。背景を探ってみましょう。
株価急騰の理由は業績の回復 3期連続赤字から大復活
円谷フィールズ株式の値上がりは業績の回復が評価されたものだとみられます。
円谷フィールズは近年まで経営不振に苦しんでいました。2019年3月期までに3期連続の最終赤字となり、2021年3月期も再び純損失を計上しています。
業績が落ち込んだ理由の一つが販売の不振です。
円谷フィールズの主要な事業はパチンコやパチスロといった遊技機の販売であり、売り上げの大部分を占めています。しかし遊技機の販売台数は2021年3月期まで顕著に減少しました。2021年3月期はコロナ禍の影響も受けました。販売台数の減少に伴い、売上高も同じように減少しています。
販売が回復した2022年3月期は黒字を確保し、翌期は純利益ベースで最高益となりました。2024年3月期も最高益の更新を見込みます。
【円谷フィールズHDの業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年3月期 | 949億円 | 25億円 |
2023年3月期 | 1171億円 | 82億円 |
2024年3月期(予想) | 1230億円 | 85億円 |
※2024年3月期(予想)は同第3四半期時点における同社の予想
2024年3月期の決算は5月14日に公表される予定です。