パチンコ企業からコンテンツ企業へ 公表した3ヵ年計画を確認

円谷フィールズの長期の見通しも確認しておきましょう。

円谷フィールズは2023年5月、中期経営計画(2023年度~2025年度)を発表しました。営業利益を160億円まで拡大させる計画です。2022年度の実績は110億円でした。3年で45%、1年あたり13%の成長を目指します。特にコンテンツ&デジタル事業が伸びる見込みで、計画通りなら営業利益はPS事業に並びます。

【中期経営計画(2023年度~2025年度)の財務目標】

                 2022年度(実績)  2025年度(計画)
 連結営業利益  110億円 160億円
 うちPS事業 77億円 90億円
 うちコンテンツ&デジタル事業 44億円 90億円
その他事業および調整 -11億円 -20億円

出所:円谷フィールズHD 新・中期経営計画

3ヵ年の取り組みで主なものがグローバル化の強化です。中国・アセアン地域では映像作品やテーマパークを展開し、米国ではネットフリックス制作の「ウルトラマン」CGアニメの配信を行います。これらの取り組みでブランドの浸透を目指します。

近年、国内のパチンコホールは数を減らしています。店舗数は2000年の半分以下にまで減少しました。遊技機の設置台数も大きく減少しています。

【遊技場の店舗数と設置機械台数】

       店舗数   設置機械台数 
 2000年末 1万6988 475万5302
 2010年末 1万2479 455万4430
 2020年末 9035 400万6787
 2022年末 7665 356万4039

出所:全日本遊技事業協同組合連合会 全国遊技場店舗数及び機械台数(警察庁発表)

円谷フィールズは市場縮小が見込まれる遊技機から軸足を移し、コンテンツビジネスのグローバル化で成長を目指します。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)