セガサミーホールディングスの株価が続伸しています。規制緩和で2022年11月に導入が始まった「スマスロ」(※)関連銘柄の一角としても買いが向かい、株価は3年前の2倍以上に上昇しました(2023年6月末時点)。

※スマスロ:スマートスロットの略。物理的なメダルを使用しない遊技機。

【セガサミーホールディングスの業績】

  売上高 純利益
 2022年3月期   3209.49億円   370.27億円
 2023年3月期 3896.35億円 459.38億円
 2024年3月期(予想)  4330.00億円 400.00億円

※2024年3月期(予想)は、2023年3月期時点における同社の予想

出所:セガサミーホールディングス 決算短信

【セガサミーホールディングスの株価】 

出所:Investing.comより著者作成

セガサミーは資本収益性の高さから「JPXプライム150指数」に選ばれています。市場の注目を集めるセガサミーとはどのような企業なのでしょうか。同社の歴史と事業内容を紹介します。

「ドリキャス」で巨額損失のセガをサミーが買収

セガサミーは、「セガ」と「サミー」の2社が統合して2004年10月に誕生した企業です。セガは主にゲーム機やゲームソフトを、サミーは主にパチンコ・パチスロなどの遊技機を販売していました。

セガはもともとアーケードゲームで成長していた企業でしたが、1983年に家庭用ゲーム機にも参入し、『メガドライブ』や『セガサターン』といった傑作ハードを送り出します。これらは一定のファンを獲得することに成功しますが、この頃から任天堂やソニーといった競合との争いが激しくなり、セガは次第にシェアの維持に苦労するようになります。

そして1998年11月に発売した『ドリームキャスト』が、セガにとって最後のハードとなりました。大規模なプロモーションを展開するも、供給体制の乱れやライバルとの競争から売れ行きに勢いが生まれず、リリースからおよそ半年で値下げに追い込まれます。

そして2001年1月、セガはドリームキャストの生産を終了し家庭用ハード事業からも撤退しました。巨額の開発費や広告宣伝費を回収することができず、セガは存続が危ぶまれるほど大きな最終赤字を計上することとなります。

【当時のセガの業績(1998年3月期~2001年3月期)】 

出所:セガ アニュアルレポートより著者作成

同じくエンタテインメント業界に属するサミーは、異なる事業フィールドながらシナジーに期待しセガの親会社だったCSK(現・SCSK)からセガ株式を取得しました。その後、持ち株会社として設立したセガサミーホールディングスにぶら下げる格好でセガとサミーを統合します。