サンリオの株価が好調と話題です。2020年12月に1300円台の安値を付けますが、その後は右肩上がりに上昇し、4倍以上となる6000円台へと値上がりしました。足元で進む業績改善が評価されているものとみられます。

【サンリオの業績】

  売上高 純利益
 2022年3月期   527.63億円   34.23億円
 2023年3月期 726.24億円 81.58億円
 2024年3月期(予想)   742.00億円 82.00億円


出所:サンリオ 決算短信

【サンリオの株価(月足、2020年6月~2023年6月)】

出所:Investing.comより著者作成

サンリオは収益性の高さが認められ、「JPXプライム150指数」に選出されました。今回はキャラクタービジネス大手のサンリオに注目してみましょう。

450キャラクターを擁する国内屈指のライセンサー

サンリオは1960年に設立された企業です。当初は「山梨シルクセンター」としてギフト商品の企画・販売などを手掛けていました。現在の社名に改めたのは1973年のことです。

同社の代表するキャラクター『ハローキティ』は1974年に誕生し、翌年に小さいビニール製の財布(プチパース)で初めて商品化されました。これが大きな反響を呼び、サンリオのキャラクタービジネスの基礎が固まります。

その後『リトルツインスターズ』や『ポムポムプリン』、『シナモロール』など数々の人気キャラクターを送り出してきました。その数は450にも上り、275億円ものライセンス収入につながっています(2023年3月期)。

ただしコロナ禍では苦戦しました。2021年3月期に売上高が前期比で25%以上減少し、30億円以上の営業赤字に転落します。業績の悪化は以前から続いており、7期連続の減収減益を記録してしまいました。これを受け、サンリオ株式は大きく値下がりします。

【当時の業績と株価(2014年3月期~2021年3月期)】

出所:サンリオ 決算短信およびInvesting.comより著者作成

サンリオは2021年5月、「第二の創業期」と位置付けた中期経営計画を発表しました。経営陣の刷新のほか、削減を含む国内物販事業・米国事業の見直しなどに取り組みます。構造改革は利益率の改善に寄与し、また経済活動の再開にも助けられ、業績は大きく改善しました。

【コロナ後の業績(2021年3月期~2023年3月期)】

  売上高 営業利益 営業利益率
 2021年3月期    410.53億円  -32.8億円
 2022年3月期 527.63億円 25.37億円   4.43%
 2023年3月期 726.24億円 132.47億円    18.24%


出所:サンリオ 決算短信