新NISAを使うと資産形成のハードルは下がる
新NISAが始まる以前は、2000万円を作るためのハードルはかなり高いものでした。その理由は税金です。投資した資産が値上がりするだけでは、税金はかかりません。しかし、資産を売って現金化するとき……そのタイミングで、売却益(投資により利益が出た分)に対して通常20.315%の税金がかかります。
さらに、株式から得られる配当金や、投資信託から得られる分配金に対しても同じく税金がかかる。そのため、投資で2000万円の現金を得るためには、それ以上の資産額が必要でした。
一方、新NISAであれば元本1800万円までが非課税となります。今回の3パターンのシミュレーションでは「65歳までに2000万円を作る」ことをゴールにしましたが、
・35歳であれば、元本1037万円が必要
・45歳であれば、元本1308万円が必要
・55歳であれば、元本1629万円が必要
という結果になりました。
若いほど有利になるのはもちろんですが、注目すべきは「どのパターンでも、新NISAの枠内でカバーできる」という点でしょう。たとえ55歳から老後に向けて投資をスタートしても、新NISAの範囲内、つまり「投資にかかる税金ゼロ」で資産形成が可能なのです。
もちろん、リタイアが60歳の方もいれば、70歳以降も働く方もいます。さらに、想定する老後の生活によって、用意すべき老後資金も大きく異なります。「65歳までに2000万円」は絶対的なゴールではありませんが……あくまでも1つの目安として、老後の資産形成に向けた参考にしていただければと思います。
参考:⾦融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「⾼齢社会における資産形成・管理」(2019年6⽉3⽇)
参考:厚生労働省の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」