すっかり投資嫌いに……

それもあって、昨年の秋ごろからNISA(少額投資非課税制度)が大きく変わると会社の同僚や友人たちが騒ぎ立てても、私自身は「やりたい人は勝手にやれば」という気持ちでした。少なくとも、自発的に情報収集したり、NISAの口座を開設したりするつもりは一切ありませんでした。

同僚の理名から、「面白いお金の専門家がいるんだけど、会ってみない?」と言われたのはちょうどそんなタイミングでした。

理名は諒太との経緯をよく知っています。諒太と別れた後、購入していた投資信託を全部売り払い、手にした売却益を軍資金に一緒に沖縄旅行に出掛けた相手が理名でした。

「お金のことに疎い私にもすごく分かりやすく解説してくれるし、何より、私たち一人ひとりの思いを大切にしてくれるんだよね。麻美もきっと楽しく話ができると思うよ」

理名としては、心の底ではいつまでも諒太のことを引きずっている私に何かきっかけを与えたかったのだと思います。

最初は「今はいいかな」と遠慮していましたが、ある日、たまたま理名と帰りが一緒になり、「実は今日、例のお金の専門家のオフ会なんだけど、時間があったら麻美も一緒に行かない? 新入り大歓迎だから」と誘われ、断り切れずについていくことになったのです。

そして、この時の専門家との出会いが、結果的に私にとって本当に大きな転機になりました。

●毛嫌いしていた投資に興味を持てたきっかけは何だったのでしょうか? 後編【新NISAを始めた女性が“月1万円”の積立投資に託した「社会への望み」】で詳説します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。