<前編のあらすじ>
安永ありささん(仮名)は、譲渡会での出会いをきっかけに猫白血病ウイルスのキャリアの猫2匹を引き取ることに決めました。幸せな日々がずっと続くものと考えていましたが、1年半後、2匹のうち1匹が白血病を発症してしまいます。
●前編:【「大丈夫に決まっている」楽観的に保護猫2匹を引き取った30代女性の大誤算】
譲渡会での運命の出会い
コロナ禍になる前の2018年末、たまたま立ち寄った猫の譲渡会で茶トラのくるみとみかん姉妹と“運命の出会い”をした私は、2匹を引き取ることにしました。2匹とも猫白血病ウイルスのキャリアでしたが、引き取る前に獣医師から「発症するのは20~30%」と聞かされ、くるみとみかんは大丈夫と“根拠なき楽観”を持っていました。
くるみとみかんとの生活は、アラサー、シングル、彼氏なし歴5年の私の乾き切った生活を潤してくれました。かわいい猫たちが家で待っていると思えばハードな仕事もやる気が出ましたし、くるみやみかんと過ごしているとアイデアが泉のように湧いてきて、デザイナーとしても結果が出せるようになり、2匹が来て1年後にはチームリーダーに昇格しました。
猫の寿命は14~15年と言われますから、10年以上はこの幸せな生活が続くものと思っていました。しかし、そんな“根拠なき楽観”が打ち破られたのは2匹を引き取ってから1年半後の2020年6月、くるみとみかんの2歳の誕生日を祝った5日後でした。