「老後破産の危険度」は1年間の赤字額でつかめる

70代以上の方が心配するのは、「自分が持っている老後資金は、死ぬまで足りるのか」ということではないでしょうか。実際のご相談でも多くの方が、「貯蓄が底をつくかもしれない不安」を口になさいます。

とはいえ、心配していても何も解決しません。不安をやわらげるのに効果的なのは、「数字にして表す」こと。現時点の資産額と支出額を把握して、「貯蓄が底をつく危険度」を明らかにしましょう。そのために、「1年間の赤字額の把握」が必要です。

「1年間の赤字額」は、月々の赤字の12か月分と、1年分の特別支出の金額で決まります。家計簿をつけている方なら、家計簿から1年間に出た赤字額を累計してみてください。

固定資産税や自動車税、家の修繕費用、旅行費用などの特別支出については、家計簿や銀行口座を調べて1年間の総額を計算してください。1年間の赤字額がつかめると、残りの人生で必要な貯蓄額もつかめます。

●第2回(年金は物価上昇に追いつかない…老後「手取りは目減りするもの」と心得るべき理由)では、家計簿なしで「1年間の赤字額」をつかむ方法や、年金の種類としくみについて解説します。

『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』

畠中雅子 著
発行所 高橋書店
定価 1,100円(税込)