では、みなさんが世界経済の成長に沿って自分の資産も成長させていくためには、具体的にどのような資産に投資をすればよいでしょうか。まずは、「債券」「株式」といった資産が代表的なものになります。

「債券」とは、資金を必要とする国や地方公共団体、企業などが資金を借り入れるために発行するものです。国が発行する「国債」、地方公共団体が発行する「地方債」、企業が発行する「社債」などがあります。国債に資金を投じることで、国の将来的な発展につながりますし、社債に資金を投じることで、企業の経済活動を支えることにつながります。

また、「株式」は株式会社が資金を調達するために発行するものです。株式に資金を投じることで、その株式会社の経済活動を支えることにつながります。

このようにみなさん自身の資金を「債券」や「株式」に投じることは、経済を下支えし、その結果、経済が成長をする(例えば、国が豊かになる、企業が成長する)ことで、資金の出し手であったみなさんがその恩恵を受け取ることにつながります。

【図表3】は、1990年1月から「世界債券」、「世界株式」、「分散投資(世界株式3:世界債券7の比率)」に投資をし、その後、リターンが何%になったかを示した線グラフと、【図表1】の世界のGDPを表したグラフを重ねて示したものです。当然、短期的には値上がる年、値下がる年がありますが、長期的にみると世界株式も世界債券もGDPの成長に沿って成長していることがわかります。

 

【図表3】世界のGDPと世界債券・世界株式・分散投資の動き(1990年1月~2022年7月)(拡大画像表示

(出所) 図表1に加え、「世界債券」:FTSE世界国債インデックス(含む日本、米ドルベース)、「世界株式」:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(グロス、米ドルベース)、「分散投資」:世界株式3:世界債券7の比率の合成指数(分散投資の一例として掲載)。いずれも1989年12月末からの累積収益率(期間:1990年1月~2022年7月)より三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成

ただし、今後の世界経済を考えるうえでもう1つ考慮しておかなければならないことがあります。それは「今までと同じ方法での成長には限界があるのでは?」という点です。持続可能な開発目標(SDGs)をはじめとして、世界の人々が今後も地球上で安定して暮らし続けていくために、現状の課題を洗い出し、解決に向けたさまざまな活動が行われています。しかし、多様化・複雑化した現代においては、なかなか解決が追い付いていないというのが現実です。「マネープランとしての投資」は、世界経済の長期的な成長があってこそですので、その成長が続かなければ前提自体が崩れてしまいます。こういった観点から、SDGsへの取組みは今後の世界の経済成長と密接に結びついており、一人ひとりが自分ごととして取り組むことがとても大切です。

●第3回【投資をしていても「将来の生活設計・資金計画について検討したことはない」人が58%…その理由は?】では、“資産形成”こそ始める人が増えつつあっても、その目的について考えている人は意外に少ない実態を明かし、マネープランの考え方について解説します。

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三井住友トラスト・資産のミライ研究所著『安心ミライへの「金融教育」ガイドブックQ&A 「生きる力」を育む「金融リテラシー」の基本』(金融財政事情研究会)

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