米国内の金利や株価だけでなく、日本株等多くのマーケットにその影響力が及ぶため、世界中の金融関係者が動向を注視しているといっても過言ではない、「FOMC(連邦公開市場委員会)」。投信投資家にとっても、自身の資産へ与える影響から、FOMCがどのような組織で何を目指しているのか知っておくことは重要です。
話題の書籍『FRBの仕組みと経済への影響がわかる本』では、FRBの仕組みや役割、そして世界経済への影響について、金利為替市場コメンテーターの工藤浩義氏がやさしく解説。今回は本書第1章「FRB(連邦準備制度理事会)とはどのような組織で、何を目的にしているのか」の一部を特別に公開します。(全3回)
●第1回:意外に知られていない!? 株式市場をも左右する「FOMC」が創設された経緯
※本稿は、工藤浩義著『FRBの仕組みと経済への影響がわかる本』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
7人の理事で構成されるFRB
FRB(連邦準備制度理事会)は7人の理事からなり、米国における中央銀行の役割を担う組織である連邦準備制度(FRS, Federal Reserve System)を統括します。
7人の理事は大統領が指名します。任期は14年で、前任者の任期途中を引き継がない限り、再任はありません。議長と副議長も同様に大統領が指名します。任期はそれぞれ4年で再任もあります。ただし任期中の理事であるか、理事でなければ同時に理事にも指名されることが指名の条件です。
FRBの決定事項は、世界の金融市場に大きな影響を与えます。ここでは以下の3つのテーマについて解説しておきます。
① 市場との対話
② 米ドルの基軸通貨としての役割
③ 中央銀行デジタル通貨(CBDC)