家賃収入で老後も安泰…は幻想!?

「やっぱり老後は家賃収入があると安心だ」とまだまだ安易にアパート経営に乗り出す人もいます。アパート経営は、その名の通り「経営」なので、ただ器を作れば誰かがなんとかしてくれるといったものではありません。地域のニーズを把握し、それに合わせた建築をし、適切なマーケティングとメンテナンスでやっと満室となります。

空室リスクがイヤだからと安易に管理会社を頼むと、高額な費用が継続的に発生します。管理会社との契約期間が終了したら、空室だらけのアパートが残ったという方もいらっしゃいました。不動産経営は片手間でできるものではないと感じます。

不動産の難しさは、ひとえに物件によりその価値がずいぶん違うということに尽きると考えます。立地も、周辺環境も、建物の構造も、一つひとつ違いますから、それらを全部見極めたうえで素人が簡単に扱えるものではないのではないでしょうか。

もしそうであれば、REITという金融商品は一つの解決方法です。REITを一言で言うと、団体で複数の建物のオーナーとなりその家賃収入あるいは売買益を分配する仕組みです。扱う物件も、住居だけではなくオフィスビル、物流倉庫、商業施設などありますし、物件の所在地もさまざまです。このように大きな資本で分散投資を行うことで、リスクを低減することが可能です。

REITは、不動産投資信託と呼ばれ、主に証券会社を通じて購入できます。NISAでも購入可能です。少額から購入できるので、いきなりのアパート経営よりよっぽど建設的だと思います。

家をはじめとする不動産は、実際に目で見て触れられるものだけに、うまく行っている人の様子が非常に際立って見えます。しかし、人は人、自分は自分です。自分なりのスタンスをしっかり持って、惑わされないようにしましょう。単純に家が資産なのか負債なのかは状況によって異なるので言い切れませんが、活用するためにはやはりお勉強が必要です。