これまでの収入が右肩上がりだった50代は多い

134,000円。これは昭和62年、筆者が短大を卒業してすぐに勤めた会社から受け取った給与の額です。当時の給与明細は手元になく、ねんきんネットで調べた「標準報酬月額」ですから、受け取った額と完全に一致しているわけではありませんが、それでも当時の収入を思い起こすには十分です。

この給与が翌年には、160,000円になりました。21歳の私は、「ドジでのろまなカメ」でしたが、それでもいきなり26,000円も給与がアップするなんて、時代を感じます。

メーデーだと言われれば、意味も分からず指定場所に集合し、同期とおしゃべりをしながら行進もしました。賃上げだとかベースアップだという言葉の意味さえよく分かっていませんでしたが、それでも正社員で働いていれば、これからの生活は安泰だと漠然と思っていました。

その後、25歳のクリスマスケーキの言葉通り3年も経たずに寿退職をしたので、しばらく厚生年金の加入は途絶えるのですが、それでも28歳で再就職し、35歳で独立起業をするまでの間、筆者でさえも収入は地道に右肩上がりでした。

みなさんの収入はどうでしたでしょうか? 50代だと、案外転職を経験したことがないという方も少なくありませんから、収入はこれまできれいな右肩上がりを描いていたという方も多いかも知れません。

安定した生活設計を考える場合、もっとも重要なことは月の収支がプラスであることです。働いて得た収入の中で支出を賄い、将来に向けて少しずつ積立を行う。特にサラリーマンの場合、毎月決まった額のお金が振り込まれるわけですから、月の収支を整えやすい環境であると言えます。