憲法の規定と国債の取り扱い

国債を発行するということは、「国が債務を負担する」ということです。憲法の第85条には、国が債務を負担する際の決め事が書かれています。

憲法 第85条
国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

このように国債は憲法に基づいて、国会の議決により発行されます。

ただし、国会の議決が何を指すのかについて、具体的に定めているわけではありません。したがって法律、予算、あるいは他の形式でも差し支えはないのですが、日本の場合は国債を発行する議決はすべて法律という形式を取っています。

他方、米国では、合衆国憲法第1条第8項に「連邦議会の権限として、合衆国の信用に基づいて借り入れをすること」との規定があります。

大別すると普通国債と財投債の2種類

日本の国債は発行根拠法によって、建設国債、特例国債(赤字国債)、借換債、財政投融資特別会計国債(財投債)に分けられます。さらに大きく分類した場合、普通国債(建設国債、特例国債、借換債、復興債)と財投債に分けられます。

利払いや償還について普通国債では主に税を財源としているのに対し、財投債では財政融資資金の貸付資金回収金によって賄われます。

令和5年度国債発行予定額(出所:財務省)