気を付けるべきは取り崩す際の「優先順位」
お⾦が必要になったとき、優先して売るべき資産は何か。それは、「新NISA⼝座で投資している株や投資信託」です。なぜなら、新NISA枠で投資する資産を売ると、売った分の枠はまた復活するからです。したがって、一度新NISA枠の資産を売ってしまっても……また時間をかければ、空いた枠を埋めることが可能です。
逆に⾔えば、「2023年までに投資した、旧NISA⼝座の資産」は、なるべく売らないでほしいのです。なぜなら、この旧NISA枠は2024年以降、再投資ができないという特徴があるためです。旧NISA内の資産を取り崩す(株や投資信託を売って現金化する)と、その枠は⼆度と使えなくなります。
とはいえ、「旧NISAのお⾦は、何があっても取り崩すな!」と⾔っているわけではありません。投資をする本来の⽬的は、⼈⽣を豊かにするため。ですから、本当にお⾦が必要なタイミングが来れば、旧NISAの資産でも迷わず現⾦化しましょう。
ただし、お⾦をつくる優先順位として、
①まずは貯⾦(普通預⾦や定期預⾦)で対応する
②貯⾦で⾜りなければ、新NISA内の資産を売って現⾦をつくる
③それでも⾜りなければ、旧NISA内の資産を売って現⾦をつくる
という順番がベストなのです。ちなみに私は、
・新NISAで投資する資産は、いざお⾦が必要となったときの「第⼀の保険」
・旧NISAで投資する資産は、新NISA分を現⾦化しても⾜りないときの「第⼆の保険」
と考えています。この⼆段構えをとっておけば、精神的にかなり安定します。いざお⾦が必要になっても、投資している資産を現⾦化すればいいだけ。なので、私は保険も必要最低限しか加⼊していません。新旧NISAで投資する資産は、「困ったときに使える保険」と考えるのも1つの⼿でしょう。
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