もうかる商品に投資したい。短期間で利益を得たい。投資をしていると、つい「欲」が出ることがあります。新NISAが始まるまでのこの期間、いま一度「投資リテラシー」について考えておきたいものです。今回は“投資でできるだけ失敗しないための考え方”を4つお伝えします。

①短期間で利益を得ようとしない

株式投資では、うまくいけば資産価値がどんどん上がります。成長する企業を見つけ、その株式に投資をすれば、長期で資産を増やすことができます。

一方で、株を安い時に買い、高い時に売る……これを短期間で繰り返し、利益を得る人も存在します。短期売買でのポイントは、チャート(値動きをグラフ化したもの)を読む力。勝つためには、瞬間的な判断力や経験が必要です。

この世界で勝つことは、正直に言ってかなり難しいと言えます。短期で誰かが勝つ=短期で負ける人が存在する、ということだからです。このような勝負の世界で生きるのも、1つの道です。しかし、自分が「負ける側」の人間になるリスクも当然あります。

勝ち負けの世界から抜け出すには、やはり長期投資です。なぜなら、長期的に見ると世界経済は毎年緩やかに上昇しているためです。長期投資では短期の勝ち負けを気にせず、流れに乗るようなイメージで投資を続けることができます。

どんな資産であっても、短期間では下がったり、大暴落したりする可能性もあります。例えば米国株価指標のS&P500を見ると、過去10年間(2013~2022年)で新型コロナウイルス発生やロシア・ウクライナ問題など、世界的に株価を下げた場面がありました。

当然、私自身もこのような局面では資産を減らしています。しかし、この10年間のS&P500の平均リターンは14.8%と、長期で見ればプラスとなっています。さらに、長期でつみたて投資をすると、「ドルコスト平均法」(※)という時間を味方につけた投資も可能です。

※ドルコスト平均法については、連載第5回【新NISAの2つの投資枠を徹底解説! 結局どう使い分けるのが正解?】で詳しく解説しています。